モダンだけどエレガント、谷村美術館で村野藤吾さんの建築を体験してきた(新潟・糸魚川市)

那須のジャム屋、NPantry(エヌパントリー)です。
村野藤吾という建築界のビックネームは知っていても、建築を意識する機会はなかなかないので、足をのばして糸魚川の谷村美術館に行ってきました。

谷村美術館
村野藤吾さんの建築は、箱根プリンスや目黒区総合庁舎など、視界の中に曲線がすっと立ち上がってきて、優美でそして特別な気分させてくれるというイメージがあります。それは建築だけでなく、内装を含んでいます。

谷村美術館 回廊

谷村美術館は全体がシルクロード遺跡をイメージし、エントランスとなる回廊から緩やかな曲線が連なる石窟(展示室)へと続きます。

光と影も建築の大きなテーマとなっていて、照明だけでなく自然光も用い、作品をより立体的に演出しています。

30年以上前に造られた建築なので、現在の照明技術と比較すると見劣りすると感じる部分もありますが、コンセプチュアルな意思をくみ取ろうとすることで、逆に想像がふくらみます。(展示室の照明をチェックするのがけっこう好きです。)

ホテルやデパートなどハレの場を多く造った村野藤吾さんの最後の建築が、大都市でも有名な観光地でもない糸魚川にあるということの意味はなんなんだろうと考えてしまいました。

美術館の隣には室内から鑑賞する庭園、玉翠園があります。作庭は足立美術館(島根県安来)と同じ中根金作さん。

草木の一本一本に目を配り、微細な部分まで調整し尽くす目にも鮮やかな庭園ですが、スキがなく緻密過ぎるのも、私のような粗雑な人間には、緊張するものだと感じます。(ですので、失礼ながら心の中では「七三分けの庭園」と呼んでいます。)

また、徒歩15分くらいのところに同じく中根金作さんによる庭を歩いて鑑賞できる、翡翠園があります。

玉翠園
翡翠園、玉翠園・谷村美術館(新潟県糸魚川市)
糸魚川駅から谷村美術館・玉翠園まで徒歩25分。タクシー7分。市内巡回バスもありますが、午前中2時間に1本ペースです。駅にはレンタサイクルがあります。