那須の山間にある江戸明治絵画の小さな美術館、馬頭広重美術館(栃木・那珂川町)

那須のジャム屋、NPantry(エヌパントリー)です。

バスに乗って、久しぶりに馬頭広重美術館に行ってきました。那須高原からちょっと距離はありますが、大人の那須旅にいかがでしょう。

地元出身の実業家、青木藤作さんのコレクションを核に江戸から明治の絵画や浮世絵をさまざまな切り口の企画展や特別展で観ることができます。

建物は新国立競技場の設計者、隈研吾さんによるものです。
那珂川町馬頭広重美術館

木と紙と石でできた美術館

作品を観ることはもちろんですが、建物や庭園など、作品までのアプローチも美術館を訪ねる楽しみの一つ。

「広重が描いた、絶えず変化する自然の移ろいを表現しようと試みました。」という建築家の言葉にもあるように、江戸から今につながる山里の景色に建物がしっくりと溶け込んでとても自然です。

杉を用いた屋根や壁は、広重が描いた雨を思わせ、建物のカタチは単純なのに、単調さを感じさせません。

「建物が自己主張するのではなく、周囲に溶け込み、環境に“負ける”ことをめざす。」隈研吾さんが蒔いた“負ける建築”の種の一つです。

地元で採れる八溝杉の間伐材が使用されています。こういう一点透視の空間が好きです。
那珂川町馬頭広重美術館

天井を覆う杉の格子が光を通してきれいです。
那珂川町馬頭広重美術館

障子のような和紙を使った内装。雨のイメージがここでも繰り返されています。隣町でつくられる烏山和紙が使われています。
那珂川町馬頭広重美術館

那珂川町馬頭広重美術館
那須塩原駅から30km(車で45分くらい)です。のどかな田園風景の中をドライブするのもいいものですよ~♪本数が少ないですが、西那須野駅または氏家駅からバスでも行けます。

カフェが併設されていて、地元の食材を使用した蕎麦やカレーが食べられますが、閑散期は営業していないことがあります。

隈研吾さん“負ける建築”番外編、宝積寺駅(栃木・高根沢町)